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鳴り響くベルの音で目を覚ます。慌てて起きた視界には、薄っすらと白い煙が漂っていた。
部屋のドアを開けると、廊下はすでにあちこちが燃え、天井から落ちてきたランプのガラスがぐちゃぐちゃにぶちまけられ、しかし私はそれでも構わず、足には何も履かぬまま、廊下を進んだ。
「イェーグム!ユナミア!ヘイツフル!無事かい!?」
この孤児院の、たった三人の子供たち。彼らの名前を呼ぶ。
黒煙を手で払い除け、火の粉が体に付こうともおかまいなしに進んでいく。
やがて。
「先生!」「先生、先生!助けて、ください!」
「ここです、この部屋です…!」
探していた子供たちが迫りくる炎から避けるように身を寄せ合って、部屋の中央でうずくまっていた。
「ああ、大丈夫!待ってて、今、助けるから…!」
幸い、外への道はまだ火の手が上がっていない。こちらから手を伸ばせば、彼らを引きずり出せば、炎から逃れる事ができる!
その時、頭上で弾けるような音がした。
それと同時に轟音が鳴り響く。一瞬の事だった。天井が崩れたのだろう、私はその下敷きになった。目の前を遮る木材の隙間から、彼女たちの姿が見える。イェーグムは一番先に炎に飲み込まれた。長いお下げを導火線のようにして。ユナミアは手足の先から炎に飲み込まれていった。狂乱の如く体を動かしていたから、ヘイツフルの赤く長い髪にも飛び火した。
「ぜんぜぇ゛ええ゛え゛!」「あつ゛い゛よおお゛!」「み゛ぇな、い゛、どこ、せんせ゛」
やめてくれ、炎よどうか消えてくれ。腕が動かない。足は感覚がない。もう少しなのに、あと、ほんの少しだというのに!
私はその光景を見せつけられたまま、身動きもとれず、手を伸ばすことすらできず、意識は徐々に煙によって奪われていった。

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