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私は求められる事を全うしてきました。
祝福の言葉を求められればそのようにしました。
血を求められればそのようにしました。
体を求められればそのようにしました。
██が、私は全て正しいのだと。皆救われていると言ってくれました。だから私は何も、疑う事などはなかったのです。
あの日。
喚きながら部屋へ訪れた知らない男性に撃たれた時、ようやく私は疑うへと至ったのです。
彼は「お前のせいだ」と繰り返し言っていました。
私は本当に正しかったのだろうか?
彼の言うように私が何か間違いを犯し、それのせいで災いの降り注いだ者がいたとしたなら、私は私の信じてきた全てを、どうすればいいのでしょうか?
胸元から熱い血潮が溢れ、徐々に体は冷えていきます。何も聞こえなくなった視界で、██は何かを叫びながら私の手を握っていました。
とうとう私は、██に自分は本当に正しかったのか聞けないまま、意識を手放しました。
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