
悪夢の怪
つぎはぎになったカラスの姿をした怪異。
気に入ったヒトにとり憑き、悪夢を見せることによって生気を奪う。
獲物として憑いている人間に対しては凄まじい執着心を見せる。
カラスを使役する事ができ、自身から切り離した肉体の一部をカラスにすることも、逆にカラスを肉体に取り込む事によって力を増す事もできる。
カラスの死体から生まれ、死んだカラスや人間の生気を糧にして成長した。

甲斐甲斐しき怪
黒くドロドロとした液体の体を持つ怪異。
気に入った人間の傍から離れず、その人間の世話を自らすすんでする。
主人とした人間に他の怪異が近づこうものなら、黒い粘性のある身体に取り込み餌としてしまう。
主人に対しては一途で、その人間が死ぬまで傍に付き、死後は魂を取り込み自らの一部とする。
人間を愛すことを覚えた怪異が長い年月を経て力を得た。

蚕の怪
白くふわふわの体と赤い翅、芋虫の体を持つ怪異。
かつてこの地域で行われていた養蚕業を司る神格として祀られていた。
養蚕業が廃れてからは徐々に信仰と力を失い、祠の中で眠っていた。
人間に対して慈愛の心を持ち、危害を加えられない限り人間に害は与えない。
子供のように純粋で、好奇心旺盛。

極彩の怪
青い髪、黒い体、極彩色の花を持つ怪異。
人間に興味を持ち、とくに人間らしくない人間を好み観察する。
人間たちの複雑かつ雑多な思念から分かたれ、それが形を持った存在。
観察対象の人間を害ある存在から守る。

無名の怪
宇宙を映す髪を持った怪異。
名前を持たず、自らに名前を付け呼んだ人間に憑く。
狂気を伝播させる目を持ち、これは髪に映る宇宙に浮かぶ、人類が未だ知らぬ星そのものでもある。
憑いている人間には従順で、言葉を持たないが理解はしている。

享楽の怪
かつてこの地で貴族として暮らしていた男の着けていた面の怪異。
毎晩のように宴会を開き、酒を水のように呑んでは適当に連れてきた人間に芸をしろとせがみ、面白ければ金を与え、面白くなければ殺していた。
その所業から鬼とすら呼ばれ、恐れられていた男の死後にすら残る享楽を求める思念が染みついている。

夢の怪
白く発光する赤子と、それを包む手からなる怪異。
すべてはこの赤子が見ている夢にすぎない。
赤子が夢から覚める時、分岐した全ての実体は泡のようにはじけて消える。
再び赤子が眠りにつけば、同じように夢を見、分岐した実体がまるで現実のようにそこに存在する。

守護の怪
白く赤いヴェールのような体と翼を持つ怪異。
かつてこの地域で祀られていた「ライナイ様」と呼ばれた神格。
伝承では「黒雲より現れし黒き龍を退けるため戦い、この地を守った後眠りについた」とされている。
最近眠りから覚め、失った神力を取り戻すため活動をはじめた。